先日、待ちに待ったルカ・グァダニーノ版サスペリアを観てきました!
初めてTジョイ博多で鑑賞しましたが、音響が良く、なかなかの爆音でありがたかったです。ここには日本で初めて導入されたドルビーシネマもあるそうなので、いつか試してみたいなぁ。
まず、上映後の周りのお客さんたちの反応たるや・・・私とは真反対でした 笑
152分と長い作品ではあるので、皆さん疲れておられましたね^^:
そもそも私が好きな作品には「賛否両論」って言葉が付いていることが多いのですが、その大体の作品が分かりやすいエンディングではない気がします。今回もそんな感じでした。
それでは見どころをご紹介していきます。
Table of Contents
見どころ1 オリジナル版へのリスペクト

グァダニーノ監督は少年時代にサスペリアに衝撃を受け、魅了され、「自分ならどんな『サスペリア』を作るか」とノートに書いて夢見る少年でした。
そんなサスペリア大好き少年だった監督がしたのは、オリジナルを塗り替えるのではなく、再構築するという選択。
なので、アルジェント版、グァダニーノ版、どちらのサスペリアにも違った「衝撃」があります。展開も異なるので、オリジナル版を予習せずにリメイク版から観るっていうのもアリ。
ダリオ・アルジェント監督も本作を特別試写会で鑑賞していて、
「ルカ監督が作った『サスペリア』はインテリ映画であり非常にデリケートな作品だ。一方、私の『サスペリア』は猛々しい映画だ」
とコメントしています。
なお、グァダニーノ監督は真逆だと感じている模様。笑
オリジナル版のスージー・バニオンを演じたジェシカ・ハーパーが登場するのも嬉しいサプライズでした。
見どころ2 インバル・ワインバーグが担当した美術
サスペリアの魅力の一つとして、恐怖の中で怪しく光る洗練された美術があります。私なんかサスペリアの美術が好きすぎて、ステンドグラスでキャンドルホルダーまで作ってしまうほど^^;(また後日それについて書きますね!)
オリジナル版は原色を基調としたデザインが多かったですが、リメイク版は彩度を落としたデザインが基調となっていて、ジュリア・ピエルサンティが担当した衣裳とよく合っていて素敵でした。
今回担当したのは、「スリービルボード」「ウォールフラワー」等にも関わっていた
インバル・ワインバーグ。
彼女自身もちょっと魔女っぽくていい感じ。
監督と共にリアリズムにこだわっていた彼女は、北イタリアの山間で印象的なホテルの廃墟を見つけます。廃墟とか……本当になにか出て来そうじゃないですか!?
出演していたクロエ・グレース・モレッツは「そこにいるだけで、どこか頭がおかしくなってしまう感覚があった」と語っているくらいリアルにゾッとしちゃう場所です。
その廃墟を撮影ができるように電気系統から配管まで改修したんだから凄い。

セットじゃないってことはここってまだあるのかな?
山間部らしいですが、いつか行ってみたいです。ちょっと怖いので片手に塩を握りしめて。
見どころ3 トム・ヨークの音楽

きっとトムの音楽無しでは全く違う映画になっていたことでしょう。
グァダニーノ監督が何度もトムにお願いしたのも頷けます。より映画の雰囲気を盛り上げていたし、シーンによっては救いでもありました。しかし当初は監督にも葛藤があったよう。
グァダニーノ監督はこれまでの映画では既存の音楽を使うことが多かったため、最初はオリジナル曲を作曲家と作ることには消極的だった。それに誰が曲を作るにしても、アルジェンドのオリジナル映画の伝説的なサウンドトラックを提供したプログレッシブロック・バンド、ゴブリンと比べられることがわかっていた。
しかし、グァダニーノは最終的にオリジナル音楽が必要だと確信した。「この映画には恐怖、悪、人間性を表現する特別なエネルギーが求められる。同時に強い現代性を持っている音楽が必要だったんだ」そうした音楽を求めて、グァダニーノはトム・ヨークに接近した。
映画『サスペリア」公式サイト
そりゃ、オリジナル版の象徴的な音楽があのインパクトですから消極的にもなりますよね…
作品の中でもトラウマになるくらいリピートされるので、もうサスペリアと聞いただけであのメロディーが頭の中で流れます。
トム自身もオリジナル版のファンであり、
映画音楽の経験がなかった事もあってリメイク版の音楽を担当することを2〜3ヶ月塾考したらしいのですが、
「本当は逃げ出したいのだけれど、ここで逃げ出したら絶対に後悔する類いのチャンスだった。」
と決意を固め、ゴブリンが使っていたようなモチーフの多用をあえて封印、リメイク版のストーリーの時代背景から、クラウトロック*を意識したサウンドを中心に制作しました。呪文を生み出している気持ちになりながら 笑
*クラウトロックとは、60’s〜70’s西ドイツの実験的音楽のこと
「Has Ended」と 「Volk」という楽曲ではトムの息子であるノア・ヨークがドラムを担当しています。娘さん(アグネス?)もアートワークを手伝ったそうで、おそろしい家族です。
”This is a walz thinking about our bodies
What they mean for our salvation”
(これはワルツ 私たちが身体について考え、救済を受けるための)
この曲を劇場の音響で聴くと本当に気持ちよかったです。救いでした。

Suspiria (Music for the Luca Guadagnino Film) [解説・歌詞対訳 / 高音質UHQCD仕様 / 2CD / 国内盤] (XL936CDJP)
見どころ4 ティルダ・スウィントンの1人3役
予習を全くせずに観に行ったので、これが一番ビックリしたかもしれません。当初は監督もティルダも秘密にしていたそうですが、今となっては認めています。
もうこれだけは、どのキャラクターだか言わないでおく!!
公式HPにも架空の役者の名前まで書いて……すっかり騙された。
気づけばティルダってちゃんと分かりますが、鑑賞中はミセスブラン役のティルダが素敵すぎてそちらに気を取られていて気づかず…。
元々ティルダと監督は友人でもあって、サスペリアについて長年話し合って計画をしていたそうです。ちょっとその会話を聞いてみたいですよね。

特殊メイクは「グランドブタペストホテル」で老婆メイクを担当していたマーク・クーリエが担当し、撮影現場でもティルダが演じているとは知らないスタッフも多かったそう。
インタビューでご本人は
「なによりも楽しいからですよ。祖母がそうだったように、生きることと死ぬことは“退屈しない”がモットーなので」
と語っています。この演技は、マジで助演女優賞もらってもいいと思う。
見どころ5 圧巻のコンテンポラリーダンス!
踊り狂う。
まさにこの言葉がぴったりです。
オリジナル版では、バレエ学校が舞台でありながらあまりダンスのシーンが無いのですが、リメイク版ではダンスが重要な役割を果たしています。ホラー映画でありながら、ダンス映画とも言える。
振付は世界的に活躍するインディペンデントのダンサー兼振付師、ダミアン・ジャレ。
彼もオリジナル版のファンであり、最初は躊躇していたけど監督の考えを知って引き受けることになった1人です。オーディション中にバレエシューズを脱ぐことを提案したのは彼で、
「それは脚本には書かれていなかったけど、僕たちは直接、足が床に触れることでもっと官能的で原始的なものが彼女の動きに加わるだろうと思ったんだ」
映画『サスペリア』公式サイト
とコメント。裸足の生々しさが本当に良かったです。
ダミアンジャレは日本公演も行なっているようなので、是非公演を観に行ってあのパワーを生で感じたい。ダンスをされている方はワークショップも開催されることもあるみたいですよ!要チェックです。
そして触れなければならないのがダコタ・ジョンソン!

もともと10年のダンス経験はあったようですが撮影のために特訓して、最後の最後で緊急治療室に運ばれるほどの大怪我をしたにも関わらず、物語の肝でもある圧巻のダンスを魅せてくれました。ダンスの技術だけではない、類稀なる表現力に、好感度が爆上がりです。
ちなみに
本作でコンテンポラリーダンスに興味を持たれた方はピナ・バウシュからスタートするのがオススメ!
まとめ
”母はあらゆる者の
代わりにはなれるが
何者も母の代わりには
なれない”
この映画を鑑賞した後は、しばらく余韻が続きます。しかも雨が降ると、脳裏をよぎります。
そして、決してひとりで見ないでくださいっていうキャッチコピーは本当です。
気に入ろうが気に入らまいが、これは語れる相手がいないと観た後がツライ!
とは言っても、
現代にはFilmarksという素晴らしいものがありますので、色んな人の考察や感想を読むのも面白いですね^^
追記 ステンドグラスで作ってみたよ!
以前、ダリオ・アルジェント版サスペリアをイメージしてキャンドルホルダーを作ったので、ルカ版でもやってみました。
今度はアクセサリートレイ♩


エントランスのフロアーをイメージ。

あり合わせのガラスで作ったのですが、それらしいものにはなったと信じています笑
最後までお付き合いありがとうございました!






![[作品録] 月齢期キャンドルホルダー](https://benikow.com/wp-content/uploads/2019/02/img_3731-250x154.jpg)

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